手作り石鹸のメリットや特徴、簡単な手作り方法を3つを介します。最も基本のココナッツオイルと苛性ソーダのレシピ、もっと簡単な苛性ソーダを使わない石鹸素地をこねて手作りする方法、おしゃれな色付けアレンジなど、道具や材料もわかりやすく一覧にしています。
ぜひ、ナチュラルで無添加、肌に優しい手作り石鹸を楽しんでくださいね。
ハンドメイドソープの特徴とは
ナチュラルなハンドメイドソープの人気が高まり、ますます手作り石鹸に挑戦する人が増えていますが、一般的な市販の石鹸とは何が違うのでしょうか?
石鹸の製法には主に2つ、中和法と鹸化法があります。鹸化法は昔ながらの自然界にあるものを使ってじっくり作る方法になり一般的なハンドメイドソープはこちらです。一方で中和法は近年誕生した製法で、多くの市販の石鹸はこちらです。
中和法は脂肪酸を反応させる製法により、完成までの時間が短いため大量生産向きとされますが、グリセリンは一切含まれないことから、さっぱり感はあるものの保湿感は少ない特徴があります。伝統的な鹸化法は作るのに時間がかかりますが、油脂にグリセリンが含まれるため、しっとりして肌がつっぱる感じが少ない特徴があります。
また、無添加なものを求める人の増加、動物性の原料を使わない植物性原料への注目の高さもハンドメイドソープ人気を後押ししています。ハンドメイドソープは市販の石鹸に含まれる添加物を使わず、原料は動物性の油脂ではなく植物性の油脂を使うなどの特徴があります。
どうしても大量生産されている市販の石鹸は、見た目をよくしたり品質を維持するために着色料、香料、防腐剤などが使われますが、手作りなら材料は選べますし、肌に優しいオイルや好みの精油を用いて美容効果や香りのよさなどを追求することもできます。
石鹸を手作りするメリット
ハンドメイドソープは、選ぶオイルの種類や配合により洗浄力や洗い心地などが異なり、キッチンや洗濯用、肌や髪に使える物など様々な種類を作ることができます。
手作り石鹸のメリット
- 自分の肌質に合った原材料を選べる
- 香りや美容成分など好みにアレンジできる
- 形や色のデザインを自由に決められる
手作り石鹸は、原材料に自分の納得いくものを選べるのが醍醐味です。オイルにこだわって配合も好みで変えられ、自分にぴったりの石鹸を作ることができます。
主なオイルの種類と特徴
- オリーブオイル・・・しっとり洗い上げ、乾燥肌向き。溶けやすい。
- ココナッツオイル・・・泡立ちが良い。石鹸を固くする。
- パームオイル・・・泡持ちが良い。石鹸を溶け崩れにくくする。
- アボカドオイル・・・ビタミンが多く、敏感肌にも優しい。粘度が高い。
この他にも、グレープシードオイル、スイートアーモンドオイル、米油などいろいろなオイルを配合できます。 高級な美容成分が入ったハンドメイドソープはお店で購入すると高価ですが、自分で手作り石鹸ならコストを抑えてお安く作ることも可能です。
そして、手作り石鹸に良い香りをつけてくれる精油(エッセンシャルオイル)は、1種類だけでなく複数ブレンドして使うと、石鹸の種類は無限大に広がります。気分によって香りを選べるよう、フラワー系、フルーツ系、リラックス用、リフレッシュ用などいくつか作っておくのも良いでしょう。
手作り石鹸は、子供と一緒に楽しみながら手作りできるメリットがあります。石鹸素地を使う方法でしたら簡単かつ安全に作れますので、小学生の自由研究や工作にも最適かもしれません。
手作り石鹸のメリットで、副業として販売できるのでは?と考える方も多くおられるようです。せっかく良い石鹸が作れたら他の人にも試してもらいたいと思う気持ちは自然でしょう。メルカリをはじめ様々なハンドメイドアイテムを販売できるサイトがありますが、手作り石鹸を販売するのは、法律を守らないといけませんので気をつけてください。
まず、手作り石鹸を顔や肌に使う前提で販売するには「化粧品製造販売業許可」が必要です。薬機法に従って許可を得て販売しないと違法になる恐れがありますのでご注意ください。そして、台所用や洗濯用の手作り石鹸として雑貨扱いで販売する場合も、家庭用品品質表示法という法律を守って販売することが求められます。
ハンドメイドソープの作り方
まず、石鹸作りをする場所や床に新聞紙など汚れてもよい敷物をしましょう。そして作業場所はしっかり換気できるよう風通し良くしてください。
手作り石鹸に必要な道具は、たくさんあって大変そうに思われるかもしれませんが、特に高価な道具はないので、すでにキッチンにある道具を使えばお安く揃うのではないでしょうか。次の一覧を参考に、足らないものを揃えてみてくださいね。 準備する道具リスト
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル(保護メガネ)
- エプロン
- ガラス棒
- 泡立て器
- ゴムべら
- ガラス製ボウル
- 計量カップ
- 料理温度計2本
- 耐熱計量カップ
- はかり
- 石鹸型(牛乳パック、保蔵容器など)
- 保温箱(発泡スチロール、段ボール、保温バッグなど)
- 包丁またはカッター
【手作り石鹸の基本】ココナッツオイルと苛性ソーダ
最も基本的な手作り石鹸は、オイルと苛性ソーダを使った方法です。まずは、定番のココナッツオイルの石鹸の作り方、こちらの動画“すみかさんの植物ダイアリー”さんのコールドプレス製法を参考に見てみましょう。
材料
- ココナッツオイル 500g
- 精製水 170g
- 苛性ソーダ 85g
- お好みのエッセンシャルオイル
※苛性ソーダは劇薬ですので取扱いに注意しましょう。火傷や失明の原因になります。必ず手袋保護メガネの着用を徹底してください。
① 苛性ソーダ水を作る 耐熱計量カップで溶けるまでしっかり混ぜます(高温になるので注意) 氷水の入った容器に入れ、温度計で確認しながら40度くらいまで冷ませる ② オイルを湯煎で熱して溶かす 温度計で40度くらいになるのを確認 ③ ①と②を加え泡立て器で混ぜる(ブレンダーでもOK) ④ エッセンシャルオイルを加え、よく混ぜる ⑤ 型に流し込み、テープで蓋をする ⑥ 保温する(約24時間) ⑦ カットして乾燥・熟成(1ヶ月)
こちらは最も基本的なココナッツオイル100%の分量で、泡立ちが良い特徴から台所用や洗濯用に効果的です。(ココナッツオイル100%でも熟成期間を長くすることでお肌への刺激は弱くなります。)
もっと肌に優しい石鹸を作りたい!という方は、オリーブオイルと混合すると、しっとりサラサラ、泡立ちの良さと肌への優しさがバランスよく両立できます。
例:ココナッツオイル20%+オリーブオイル80%の場合 材料
- ココナッツオイル 100g
- オリーブオイル 400g
- 精製水 170g
- 苛性ソーダ 67g
- お好みのエッセンシャルオイル
他にもホホバオイルやスイートアーモンドオイルなど、肌に優しい成分を混ぜてアレンジするのも良いですね。
材料の分量は、石鹸用のアルカリ計算サイトで簡単にわかるのでおすすめです。「手作り石鹸 計算」や「シュミレーション」などの検索ワードですぐに見つかりますので、ぜひ参考にしてみてください。
簡単!【苛性ソーダを使わない】グリセリン&石鹸素地
苛性ソーダの購入や取り扱いはめんどう…苛性ソーダを使わない石鹸を手作りしたい!という方におすすめなのが、グリセリンと石鹸素地を用いたレシピです。石鹸素地とは、脂肪酸と水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを混ぜて、化学反応を起こさせた成分です。
作り方はとっても簡単なので、“暮らしと香り”さんの動画を参考にして挑戦してみましょう。
材料一個分
- グリセリン 5ml
- エッセンシャルオイル 5滴
- 石鹸素地 100g
- お湯(15~25ml)
① ビーカーにグリセリンを5ml計量 ② ①にエッセンシャルオイルを垂らし、よく混ぜる ③ 湯煎用のボウルに石鹸素地と②を入れて湯煎しながら、お湯を3回に分けて加える ④ ③をポリ袋に入れて、しっかりと手で揉んで練る ⑤ ④を型に詰める ⑥ 型から抜いた石鹸を冷暗所で1週間前後乾燥させる
苛性ソーダを使わないこちらの方法は、道具が少なくてよく時間や手間もかからず簡単です。手でもんで型に入れるのはお子さんと一緒にやっても楽しそうですね。
手作り石鹸の色付けおしゃれなアレンジ
基本的な石鹸の手作りレシピをマスターできたら、次は色をつけたアレンジに挑戦してみてはいかがでしょうか?石鹸の色付け方法には、グラデーションやマーブルなど色々ありますが、今回は4色の水玉柄のかわいい手作り石鹸の動画を紹介します。
色が入ると一気に華やかになって、インテリアとして飾ってもおしゃれですね。
色付けの材料は、さまざまあります。
- ハーブ(花びらやパウダー)
- 食用色素
- カラージェル
- カラーマイカ(雲母)パウダー
- クレイパウダー
このほかにもお茶やコーヒーなどでナチュラルな色合いをつけることもできます。
とめ
基本の手作り石鹸から色付けをするアレンジまで、3つの手作り石鹸を紹介しました。
材料のオイルや香りを付ける精油など、種類がたくさんありすぎて迷ってしまうかもしれませんが、まずはご紹介した基本の作り方または簡単に出来る石鹸素地を使って、一度試してみてください。最初は難しそうに思えるかもしれませんが、やってみると意外と簡単であっという間にできます。道具を一度揃えればそのあとはコストを抑えてどんどん作れますね。